ピュアな心で視聴できなくなった人には辛い2時間
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Dr.コトー診療所 映画版
テレビシリーズの「Drコトー」が好きでDVD BOXを買ってしまった過去がある私としては、映画化を期待80%の気持ちで視聴したのさ。
で、申し訳ないんだけども、これ映画化しなくても良かったんじゃね?と思ってしまったわけですよ。
いろいろ詰め込みすぎだ。
診療所の存続問題にメインテーマを絞った方が良かったと思う。
いつでも診てくれる医師や診療所の存在が当たり前の光景は、住民にとっては理想の光景かもしれないけれど、実は医師の自己犠牲の上に成り立っている現実。
少子高齢化が進む離島での医療資源をどう維持し折り合いをつけるのか、そこをテーマにした方が16年前から見て来た視聴者は共感できたんじゃないか?
コトー先生を病気にする設定にしても、よりにもよって急性骨髄性白血病とか斜め上すぎと言うか、安直すぎ。
台風到来で阿鼻叫喚の診療所は患者で溢れ、研修医の判人がトリアージを進言しても無視して「全員助けます!」と頑張るコトーと、ハイリスク妊婦の看護師の彩佳。
その異常な光景を前にして「頑張れー頑張れー」と応援する無責任な島民たち。
なんだこれ…
医療従事者の自己犠牲に「どう?尊いでしょ?」みたいな感動を押し付けられているようですごく不快だった。
それと、剛洋が授業費が払えず退学したと言う設定は必要だったのかね?
テレビシリーズ視聴者からすれば、親父がどんな想いで学費を工面して剛洋を島から送りだしたのか、剛洋がでどんな思いで一人東京で努力してきたかをずっと見て来てんのよ。
Amazonプライムで視聴していた私の家族なんて「授業料が無料の防衛医科大にいけばよかったんだ!」とか「国立の地域枠があるだろ!」と真面目な顔して力説してたっけ。
Believeで流した私らの涙を返してほしい。
で、トドメは取り合えず一件落着みたいなラストですよ。
昔はピュアな心で視聴できていたのに、この20年で私の心はすっかり汚れちまったようです。